産業キャリア教育プログラム~授業紹介~
トップ> 産業キャリア教育プログラム~授業紹介~> 【技術論1】日本IBM 第2回「技術を生かす!」
日本IBM第2回目の講義は「技術を生かす!」ということで、大村さんに、研究開発や技術系キャリアに関するお話をしていただきました。
大学の研究と企業の研究の違いとしては、次のように考える事ができます。
大学…サイエンス、基盤原理の解明
企業研究…エンジニアリング基礎、事業への適用可能性の解明
企業開発…エンジニアリング応用、製品への技術運用
企業経営のミッションが、「利益をあげる(売上をあげる・コストを下げる)」であるなら、研究開発部門のミッションは、「技術投資の費用対効果を最大化する(効果をあげる・効率をあげる)」、すなわち、新技術の創出と事業化(プロダクトイノベーション)、既存技術をスピーディーに事業化(プロセスイノベーション)することだといえるのだそうです。
東京基礎研究所のWebサイトにも載っているので参照してみてください。
http://www.trl.ibm.com/projects/optimization/index.htm
配送経路最適化(オペレーションズリサーチ)、倉庫最適配置、物流ネットワーク設計、鉄鋼ソリューション等、実社会において、物流リードタイムの短縮、製造コスト削減など実際に多くの問題解決に役に立っているそうです。
大村さんは工場見学や会社見学は社会人になると見せてもらうのが難しくなるので、学生のうちに色々見に行っておくべきだと言っていました。
特許の詳しい説明をしていただき、特に特許権に関しては絶対に勉強しておくべきで、アメリカの大学では必須の授業になっている。これでは日本は世界で勝てないとおしゃっていました。
大村さんは、IBMに入社してからは、コンサルタントの仕事をされています。その中で、プロジェクトで台湾に長期滞在したときのエピソードなどもお話いただきました。メンバー間の会話は英語だそうです。
最後に、講義を受けた学生の感想をいくつかご紹介します。
今日の講義では、企業の技術戦略などについて具体例などを交えて説明してもらったので、わかりやすくておもしろかった。特に最適化技術については初めて聞いたがけど、企業ってすごいと思ったし、ちょっと興味がわいた。特許については今までよく知らなかったけど、特許の重要さが理解できたし勉強しなきゃいけないと思った。自分と特許は何となく関係ないような気がしていたけれど、自分も特許をとってみたい。(1年生男子)
大学のうちしかできない事、社会に出たからこそわかることをたくさん教えていただいてありがとうございます!あと、「大学では専門分野を学ぶが、MBAなどを学ぶか」といった質問をしましたが、「経験をつんだ上で学べる」という自分の中では新しい方向の一つが見えてとても勉強になりました。(1年生女子)
非常に楽しそうにお話しいただいたので、聞き手として、IBMへの印象がさらによくなった。大村さんのような方が、講師として大学で講義を行ったら、理系の女性が増えるような気がする。理系教授陣に女性が少ないのも、1つの原因かなと。(3年生男子)
(2008.6.5 担当I)