産業キャリア教育プログラム~授業紹介~

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【技術論1】富士通 第4回「私の転機、経験 富士通の携帯電話とマルチメディア」

講師:富士通株式会社 モバイルフォン事業本部 中条薫氏

富士通株式会社、最後の講義はモバイルフォン事業に携わっている中条さんです。
中条さんにとって、仕事をし続けることは自然なことだったそうですが、それでも今までに仕事をやめようかと真剣に迷ったことが2回あったそうです。それは、長男の育児休暇中に子供を保育園に預けて復帰することに迷いを感じた時と、米国赴任から帰国する時で、子供に帰りたくないと泣かれたときだそうです。しかし、今は仕事を続けてこられたことを幸せに思っているとおっしゃっていました。

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そんな自分を支えてきた3つの要素は
・ポジティブ精神
・楽観的な性格
・家族、同僚、上司、部下
だといいます。

今日の講義は、
・私の転機・経験
・富士通の携帯電話とマルチメディア
・これから人生を切り拓くみなさんへ
の3つにわけてお話いただきました。


■私の転機と経験

富士通入社後は通信事業本部のハード・ファーム部門に配属となり、各種通信装置向けの音声信号処理・システム開発を担当したそうです。

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富士通研究所と共同で最新の音声コーデック、エコーキャンセラ等を開発。
また、業務の一環で学会発表、論文共著、社内表彰、特許出願等を行ってきました。

育児には認可保育園と幼稚園教諭免許を持つベビーシッターによる二重保育を活用したそうです。そして、夫のアメリカへの赴任により、会社をやめなければならないかと思ったが、上司の協力と会社の理解を得て、夫婦でのアメリカ赴任が叶ったそうです。

99年8月 夫とともに米国行きを決意
00年3月 米国富士通研究所に赴任
アメリカ行きは非常に悩み、考えて、家族でアメリカ行きを決めたとのことです。


■シリコンバレーの紹介

日本では思いもよらないようなことや、様々な経験をシリコンバレーで積むことができ、
仕事への考え方も大きく変わったと中条さんはお話してくれました。シリコンバレーでの人々の仕事やキャリアに対する考え方、環境等、また、アメリカ赴任中の子どもの学校教育や環境、家族の在り方、生活、文化等について詳しく話してくれました。
「『自分の枠から出て新しい世界を見る機会を作る』ことは非常に重要であり、海外に行けるチャンスがあるなら行って文化や考え等を見てくるべきである。」
と中条さんはおっしゃいます。


■仕事について

現在は携帯電話の開発にかかわる仕事で、それらの先行開発、製品開発、製造販売等の一連のフローを説明してもらいました。

らくらくホンに関する開発の説明や、ユニバーサルデザインの説明から始まり、その中で、音声の聞き取りは非常に重要であり、聞き取りやすさを改善するための音声強調技術等の説明をしていただきました。 続いて、携帯電話におけるカメラの説明や静止画手ぶれ補正技術の説明等、普段何気なく使っている機能等の仕組みや構造を説明してくれました。

【参考】富士通研究所:音声信号処理技術(携帯電話)


■これから人生を切り拓く皆さんへ

そして、最後に、これから人生を切り拓く皆さんへということで、3つ+αのアドバイスをいただきました。

1.自分にこだわりを持つ
自分にとって何が大切なのか?自分が本当に幸せだと感じる事は何なのか?を考えることが重要だと思います。そのこだわりの実現に向けて地道に頑張ることが大切だと思います。
そして、その「頑張るための3つの要素」として、
・ポジティブ精神
・継続する力
・楽観的
についてのお話をいただきました。

2.人に負けない強みを1つ持つ
これは人に負けないなと思うものを1つ持つことで、それが自分の自信になり、人の目が気にならなくなる。“強みを”得る過程のプロセスも、自分の糧となります。例えば、本を読む、自分に投資するということです。

3.自分で考える力をつける
開発言語や技術的なことを学ぶことも大切だが、本当に大切なことは、“自分で考える力”をつけることです。考える力をつけるのにオススメの本では、「世界一やさしい問題解決の授業」渡辺健介/著(ダイヤモンド社)があります。
これはマッキンゼーで使われている問題を解決するための手法を中学生や高校生向けにやさしく解説したもので、非常に良くできている本だそうです。

+α 英語力をつける
英語ができることによって得られる情報がものすごく広がります。グローバルな視点で考えることができるようになります。
そして、ヒアリングとスピーキングは表裏一体だそうです。どれだけの時間をヒアリングに費やすかがポイントで、CNN等のニュース番組、ディスカバリーチャンネル等の海外番組をclosed caption付きで何度も見て聞く等をすると非常に効果的である。また、ネイティブの友人・先生を作ると良いそうです。

(2008.5.21 担当I)

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