産業キャリア教育プログラム~授業紹介~

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【技術論1】富士通 第3回「技術で仕事をしていくということ」

講師:富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 TV/STB事業部 小林 真理氏

今回は、LSI開発に従事している小林さんの講義です。

■現在の職場環境

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小林さんは、女子大で、物理学を専攻。入社直後はデジタルオーディオDSPのファームウェア開発(AVアンプ、ミニコンポ、ホームシアターセット向け)に関わっていらっしゃいました。
そして、2002年1月から、小林さんはデジタルSystemLSI(家電向け)のファームウェア開発(デジカメやPC搭載向け、DVD関連機器、H.264搭載カムコーダ向け)に関わるお仕事をされています。また、規格団体での規格制定参画等にも関わっていらっしゃいます。

川崎工場(電子デバイス・開発拠点はあきる野テクノロジーセンター)で働く小林さんですが、職場環境については自分の職場に限っていえば、女性は少なめといいます。しかし最近は、女性も増えてきているそうです。普段は、全員PCに向かって仕事をしているので、事務所内は比較的静かだそうですが、会議をするととても賑やかになるそうです。

■H.264カムコーダとは?

H.264とは、少ないデータ量で動画を伝送するための動画圧縮規格の1つで、従来方式であるMPEG-2などの2倍以上の圧縮効率を実現可能となっています。利用分野は、携帯電話(ワンセグ)などの用途向けの低ビットレートから、HDTV(日本でのBSデジタルや地上デジタル放送)クラスの高ビットレートや最近ではBlu-rayディスクやムービーカメラなどのカムコーダに至るまで非常に幅広くなっています。

自分たちで開発したLSIが顧客製品に搭載され、それがさらに例えば業務向けとして放送用途で日本国内の主要TV局をはじめ、アメリカのCNN等でも使われている。開発者としてこういうことは非常にうれしく思うそうです。
また、画像や音の評価はとても神経を使う大変な作業で、画像の場合、元の撮影した画像と比べて少しでも劣化していないことを目視で確認する必要があり、このとき撮影した画像自体に問題があってもいけない。ただし、人により、感性の違いもあり、感性に対する感覚や知識が必要。画像も音も最終的には個人の主観も入ってきたりしてとても難しいそうです。
ただ、評価実験等のための仕事として最新のAV機器やモニタ等の機器を利用できるのは楽しみの一つだそうです。


■仕事をしていてうれしい体験

仕事をしていてうれしい体験、逆に悔しかった経験を語っていただきました。

仕事をしていてうれしい体験
・家電量販店などで、自分が開発に携わったデバイスが搭載された商品を見かける。
・専門誌にて良いと評価され紹介されている記事が掲載される。
・お客様への紹介デモンストレーションで音が良いと誉められた時。
・お客様との合同評価にて、顧客所有の設備の整った視聴覚室で映画や音楽鑑賞ができる。

悔しかった経験
・製品開発やお客様対応で時間的余裕が厳しく、徹夜を多々していたこと。
・持参した機材が不安定でお客様との合同視聴評価が上手くいかなかったことがあったこと。
・製品の不具合が発生し、トラブルシューティングを余儀なくされたこと。


■ケーススタディ

次に、小林さんから実際に会社に入ってからのケーススタディを例題として出していただき、それについての解説等をしていただきました。そこで、小林さんの過去の経験談に基づく判断や行動の仕方・考え方の解説等を学生の方々に熱く語っていただきました。

富士通な人々の語録
・Face to Face
・Tel
・E-mail
の順番に優先する。
人と人とが面と向かって会話をすることは非常に重要。それが人間同士一番スムーズに行く方法である。海外とやり取りがあるとき、やはり文化の違い等により、コミュニケーションをとっていても、考え方が根本的に違ったりすることがあり、相手に適切にタスクを割り振ったり、お互いの特徴をきちんと理解しあったりして仕事を進めることが重要で、それはやはりFace to Faceが一番であるということでした。


■学生のみなさんへ

最後に、小林さんから学生のみなさんへのメッセージ、そして身につけておいた方がよいと思われることについてアドバイスをいただきました。

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みなさんへのメッセージ
・あせらずに自分の意思確認を常にしよう。
・とにかくいつでも明るく前向きに。チャレンジすることを忘れないように。
・探究心を持とう!悩んでもよし!色々なことに興味を持ってみよう。
・社会人は人が集まってプロフェッショナルな仕事をする場所であることを忘れずに。
・頑張りすぎないこと。時には息抜きが重要。

社会人になるまでに身につけておいたほうが良いと思われること
・論理的思考
・語学力

理系のみなさんだからこそ身につけておいた方が良いと思われること
・PCスキル
・C言語等のプログラム言語

(2008.5.14 担当I)

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