金融最適化、数理最適化(数理計画)、データ解析、オペレーションズ・リサーチ
計算機環境の飛躍的発展に伴い、強力な計算能力を持った計算機が容易に利用できる状況が整うと同時に、各種デジタル情報の蓄積やオンラインでの利用可能性が増し、ビッグデータやビジネス・アナリティクスといったキーワードに代表されるようにそれらを活かした意思決定の可能性が増大している。
本研究室では、そのようなデータの利用可能性を視野に、金融分野をはじめとした様々な不確実性下の意思決定最適化モデルの構築と、そのアルゴリズムに関する研究を主に行う。具体的には、ポートフォリオ選択問題に対する最適化アプローチ、信用リスク判別モデルの構築などがある。また、広くオペレーションズ・リサーチが対象としうる問題や、データ解析手法そのものに対し、最適化の観点からの改善の検討や新規手法の提案を行っていく。
オペレーションズマネジメント、生産管理、ロジスティクス、大規模システムのシミュレーション分析
オペレーションズマネジメント、生産管理/生産情報システム,経営情報システム・IT,サプライチェーン・ロジスティクスに関する諸問題について,管理科学の立場から研究を実施する。特に,生産・流通などの具体的な企業活動について,設計から解析・評価に至るまでの範囲を対象として,コンピュータや情報ネットワークを活用したシステム分析を行う。併せて,コンピュータを用いたプログラミングや計数的解析の能力を養うことも目的とする。必要に応じて企業見学や企業調査も行い,理論的かつ実証的に研究を進める。 博士課程前期課程1年次までに、技術士・1次試験(経営工学部門)合格を目指し、経営システム工学分野の基礎的理解を踏まえた研究指導を行う。3>
品質経営、人間信頼性工学、新製品開発管理
技術が進むにつれて開発・生産・サービス提供・使用の各フェーズにおける人に起因するトラブル・事故がクローズアップされてきている。また、多くの人で構成される組織においては、いかに一人ひとりの能力を伸ばし、発揮してもらうかが重要な経営課題となる。工学的な視点からのヒューマンエラー防止の方法論、小集団改善活動・方針管理・品質管理教育などの品質経営の方法論を中心に研究を行っている。さらに、顧客にとって魅力的な製品・サービスを開発できるかどうかによって企業の競争力が大きく左右される。顧客の潜在ニーズを把握・分析する手法の開発についても取り組んでいる。
確率論に基づく不確実性の定量化は金融業界において非常に重要である。証券業界では、 金融派生商品(デリバティブ)の価格付けとリスク管理への応用、保険業界では、保険商品の価格付けや新しい保険の開発とそのリスク管理などに確率論が応用されているのである。 本研究室では、金融工学においては新しい金融派生商品(エキゾティックオプション)の開発とその価格付け、保険数理では 新しい(金融工学と融合した)保険商品の開発とその価格付けやリスク計測に関する新しい理論の研究などを主なテーマに研究する。それらの基礎理論として 確率論や数学そのもの、数学教育についての研究も行っている。
保険数理では 特にアクチュアリー(Actuary ,保険計理人、年金数理人)になるための指導も行っている。アクチュアリーとは 保険数理に関する資格で 一次試験
の試験をすべて合格後、生保、損保、年金のいずれかの2次試験2科目に合格すればアクチュアリー正会員(アクチュアリー資格保持者、社団法人日本アクチュアリー会http://www.actuaries.jp/ 参照)となる。まだ日本では 1200名程度であるが アメリカでは20000人近くおり、常に人気職業のベスト5に入っている(The Wall Street Journal の Best and Worst Jobs 参照)。私は 夏休みに 日本アクチュアリー会(晴海トリトンスクエア)においてアクチュアリー講座の講師も担当しており、また、前職の一橋大学大学院商学研究科教授時代の15年間に約30-40名程度のアクチュアリーを養成し、教え子たちはいろいろな生命保険会社、損害保険会社、信託銀行などに勤めている。金融工学を専攻すると クォンツ(証券会社などで デリバティブの開発、価格付け、リスク管理を行う職業)としての職が考えられ、実際一橋時代に20-30名程度のクォンツを育てた。それ以外にも 数学や特に確率論を学び、教職を取れば中高教員の道も考えられ、(これも一橋時代に数名教職に進んだ)さらに 金融とコンピューターの知識を持ったシステムインテグレータの就職もこれからは増えてくると思われる。
マーケティング・サイエンス,マーケティング・エンジニアリング,マネジメント・サイエンス,意思決定分析,モデル分析
現在,マーケティングや経営の諸問題に関して,客観的なデータに基づく意思決定意思決定が重要視されている.それに伴って,どのようにデータを分析するかについての知識や技術が業界を問わず広く求められている.
本研究室では,マーケティングや経営問題について,データ分析やモデル分析のための手法の開発などに関する研究を主に行う.こうした分野では,統計分析や最適化手法,機械学習など比較的幅広い分析手法が求められており,それらを各問題に対してうまく適用することが重要である.
近年の計算機環境の進化などとともに,ビッグデータに代表される企業や生活者に関する様々なデータが取得可能になっており,これらを利活用する技術が求められている.本研究室では,経営の諸問題に対する深い洞察力を涵養するとともに,その問題に対する具体的な解決策を導くようなデータ分析技術や分析モデルの開発を行う.