産業キャリア教育プログラム~授業紹介~
トップ> 産業キャリア教育プログラム~授業紹介~> 【技術論2】NTTコミュニケーションズ 第1回「情報産業の全体論」「インターネット技術の基礎(前編)」
NTTコミュニケーションズさんには、「情報通信産業を支えていく基本技術」について講義して頂きます。
1回目:情報産業の全体論、インターネット技術の基礎(前編)
2回目:インターネット技術の基礎(後編)
3回目:マーケティング技術の基礎
4回目:Web技術とデータセンタ技術の基礎
まず、森田さんにNTTコミュニケーションズの紹介を含め、情報産業の全体論を講義して頂きました。
国内の主要授業者は、NTTグループ、KDDIグループ、SBグループの3つ。
携帯電話で馴染みのある3社ですね。
最近、ソフトバンクから2008年中に発売されると決まったアップル社の「iphone」が話題を集めています。「通信業界に革命をもたらすのでは?」「パソコンと携帯電話の垣根をなくす」などと言われています。みなさんは買うでしょうか?革命は起きると思いますか?
今までの講義を通して、考えてみると面白いと思います。
情報通信業者(産業)の、大きく分けた以下の3つの事業ドメインについて話して頂きました。
1.インターネットビジネス
2.通信インフラ/通信サービス
3.法人ビジネス
一番イメージし難いのは、通信インフラだと思います。
例えば、海外との通信の基盤を作るためには、光ファイバーケーブルを海の底に這わせてつなげています。(日本からアメリカを繋ぐ約9000kmのケーブルもあるそうです。)
「どうやって海の底を這わせるんだ?」と思った方、細かな計画を基にケーブルを船から落とし、そして無人の埋設ロボットが地中に埋めるそうです。地味にスゴイ!
情報通信産業のトレンドとして以下の4つについて話して頂きました。前の講義でも出てきたキーワードがありますね。
1.ブロードバンド
2.ユビキタス
3.セキュリティ
4.グローバル
総務省、情報通信白書、平成19年度版を資料として、以下のことについて話して頂きました。トピックに興味のある方は、具体的な統計・アンケートデータも豊富なので、見ると参考になると思います。
・情報、知識時代の到来 ・情報化投資 ・マクロ経済からみた情報通信産業の現状
・インターネットの浸透 ・ブロードバンド化 ・モバイル化
・携帯情報通信端末のネットワーク化・多機能化 ・個人の情報発信の拡大
・ブログとSNS ・メディアの新しい動向 ・新たな社会経済システムの出現
・ライフスタイルの変化 ・インターネットの利用状況 ・情報セキュリティ関連
・日本の電気通信市場の状況 ・電気通信サービス概況 ・電気通信の利用状況
「u-Japan構想」「平成19年度ICT政策大綱」について話して頂きました。
私(北川)が在席している経工の加藤研究室でも以前から、以下の研究をしています。
・ユビキタス分野
超小型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いた「気づき情報提示」システム
プレスリリース資料
眼鏡に装着するHMDディスプレイの小ささに驚くと思います。実用化も遠くない!
・ICT分野
face-to-faceでの人助けを支援する、学内ボランティアによる助け合い学習支援サービス
「Science AID」。http://www.hm.indsys.chuo-u.ac.jp/ (加藤研究室HP)
学び、教え合い、相互成長できる環境作りを目指して研究・開発・運用中!
そして、NTTコミュニケーションズのコアバリューとなる6つの重点事業領域について話して頂きました。Ubiquitous, Portal/Engines, Security, Global, Network Manage-ment, Solution
第1回講師は、インターネット黎明期からパソコン通信に携わり、現在女性技術者として活躍している、上水流由香(かみづるゆか)さんです。
(先端IPアーキテクチャセンタ、ネットワークプロジェクト)
インターネット普及期には、IPv6サービスの立上げに参加していたそうです。
NTTコミュニケーションズの1回目は「インターネット技術の基礎(前編)」です。
講義では次の2点について話していただきました。今までの講義とは違い、技術の基礎のお話です。分からない言葉がたくさん出てきたのではないでしょうか?
1. IPパケットとIPアドレス
2. ルーティング
インターネット上では、あらゆるデータは「IPパケット」として運ばれ、その送受信に「IPアドレス」が手がかり(住所に相当)として使われること、またその詳細・仕組みについて話して頂きました。
実際にIPに触れてみると実感がわくと思うので、自宅に2台パソコンがある方はファイルを共有、プリンタを共有する設定をしてみると良いと思います。
LANとLANをつなぐ端末「ルータ」、受信したパケットをどのインターフェイスに転送するか示した表「ルーティングテーブル」について、またIPパケットを転送するためのルーティングテーブルがどう作られ、どう転送されるかという「ルーティング」の詳細・仕組みについて話して頂きました。
パソコンを一般的に使っているだけでは、なかなか触れることのない分野の知識でした。なぜそういったプロトコルや手法が出てきたのかといった流れを理解しないと、すぐ忘れてしまいそうです。
(2008.6.3 担当北川)